こんにちは。
ファイナンシャルプランナーの張替愛です。
念願のマイホームを手に入れて幸せいっぱい。
そんな矢先に、容赦なく辞令が出される。
などという悲劇が、転勤族ならけっして少なくないでしょう。
予想はしていたとしても、いざ辞令が出ると、
単身赴任にするのか、家族みんなで行くのか
悩まれるのではないでしょうか。
今日は、単身赴任した時に出てくるお金の疑問のひとつである、
住宅ローン減税についてご紹介しますね。
目次
転勤で住宅ローン減税はどうなるの?
住宅ローン減税の扱いは、マイホームに家族が住んで居るかどうかで変わります。
家族みんなで転勤先に引っ越してしまうと、住宅ローン減税は使えなくなってしまいます。
旦那さんが単身赴任をした場合には、住宅ローン減税はそのまま使えます。
※国内転勤でご家族がマイホームに住み続ける場合。旦那様の住民票を転勤先に移しても問題なし。
「みんなで引っ越すと住宅ローン減税も使えないなんてもったいないなぁ。」
そんなふうに考える方もいるでしょう。
住宅ローン減税が使えないと、いくら損するの?
住宅ローン減税が使えなくなるといっても、
実際にはいくら負担が増えるのか、わかりますか?
具体的な数字を出してみますね。
住宅ローン減税とは、年末の住宅ローン残高の1%の金額分の所得税と住民税がかえってくる制度です。
もしも4,000万円分のローンが残っていれば、40万円税負担が減ります。
ローン残高が3,000万円ならば、30万円です。
もしも1年間で40万円も損してしまうならば、
たしかに無視できない金額ですよね。
住宅ローン減税は、あくまでも”減税”
でも、あなたのご家庭では、
本当に何十万円も住宅ローン減税の効果が出ていますか?
まず大前提として、
住宅ローンの残高が大きくないと効果は大きくなりません。
SUUMOの調査によると、年収500万円台のファミリーが家を買うときの住宅ローンの平均金額は3,000万円程です。
もしもマイホームを買った年のローン残高が3,000万円あったとしても、年数が経つにつれてローン残高は減っていきます。
そして、
住宅ローン減税は、あくまでも減税です。
もともと支払っている税金が少ない場合には、
節税効果が十分に発揮できていない可能性があります。
例えば、年収500万円のサラリーマンの場合、所得税は約3万~15万、住民税は約15万円~24万円です。
扶養人数によって大きく異なります。
そして、住宅ローン減税は、住民税からは最大136,500円しか控除されないという決まりがあります。
年収500万円で専業主婦と3人のお子様を持つサラリーマン家庭の場合には、約17万円程しか税金を支払っていないので、たとえローン残高が4,000万円残っていたとしても、17万円程しか節税効果がないのです。
単身赴任するかどうかは家計と家族とよく相談して
単身赴任するかどうか決めるのに、
お金のことはとても大切です。
単身赴任したほうが家計にとって良いのか、良くないのか、
何となく思い描いていたイメージだけで決めてしまうのは危険です。
自分のご家庭の場合は家計がどうなのか、
きちんと確認してみてくださいね。
また、お金のこと以上に、ご家族の意見を尊重することも大切です。
『子供のためにマイホームに住んでいたい』
『みんなで転勤先へ引っ越したい』
などなど。
ご家庭の数だけ、幸せな暮らしの形があります。
ご家族でよく話し合って、一番良いと思う暮らし方を選んでくださいね。