こんにちは。
海外赴任家庭のお金の専門家、張替愛です。
私は、夫の海外赴任によってアメリカで2年間ほど生活したことがあります。
思い返してみると、私がアメリカに渡ってから
「アメリカの生活にも慣れたよ」
と、自信をもって言えるようになるまで、
8か月くらいかかりました。
アメリカに来てしばらくは、
駐在妻仲間から「慣れた?」と、よく聞かれましたが、
そのように聞かれている間には、慣れることができませんでした。
表面上では慣れたと答えていましたが、
もやもやとした気持ちで答えていました。
駐在妻が海外に慣れるまでは、(自分が思っているよりも)時間がかかるものです。
この記事では、私が読んだ本を参考に、「駐在妻が海外生活に慣れるまでの5段階」をご紹介します。
目次
私が海外生活に慣れるまで
駐在妻が海外生活に慣れるために必要なこと。
それは、
「言葉」と「移動手段」
だと思います。
アメリカの場合、
「言葉」とは英語ですね。
私の場合、アメリカに来て生活が落ち着いてから
ぼちぼちと英語を学び始めました。
週2回、無料で英語を教えてくれる教会ESLのクラスにいき、
その他にも、オンライン英会話で、平均週3~4回は英会話を勉強しました。
おかげで、英語の勉強を始めてから半年ほどで
「いざという時には、大丈夫!」
という自信がついてきました。
(重要:話せるようになったわけではありませんよ。)
ジェスチャーやカタコトの単語を駆使すれば、
大体の要求は通せると、思えるようになったのです。
「英語を話せるようにならなくちゃ!」
と、気を張ることがなくなったことで、
ぐっと楽になりました。
駐在妻が海外生活に慣れるために必要なこととして、
もうひとつの大切なものは、「移動手段」です。
私の場合、
車の運転ができるようになることでした。
もともと日本で車の免許を持ってはいましたが、
結婚してから1度も乗っていない程の
年季の入ったペーパードライバーでした。
それをなんとか、
渡米してから4か月で免許を取り、
少しずつ、スーパーと幼稚園などへと行けるようになってきました。
そして数か月後には、
高速道路さえ避ければ
30分くらい離れたお友達の家まで出掛けられるようになりました。
ここでは、車で30分といえば
「近所」という距離です。
家の近所を自由に動き回れるようになることで、
ようやく安心して生活できるようになったのです。
結局、
私は海外生活に慣れるまでに、
半年以上もかかってしまいました。
周りには、もっと早い時期から
海外での生活に慣れたように見える方もいましたが、
「英語が話せる」「自動車が運転できる」
というスキルを始めからもっていたことが、大きいと感じました。
駐在妻が海外生活に慣れるまで
旦那のアメリカ転勤が決まってから、
ある1冊の本を読みました。
「海外赴任のために必要なこと―駐在家族のメンタルヘルス」
(下野淳子著書)
この本に書かれていた
駐在妻が海外生活に慣れる5つの段階
というのが、興味深かったのでご紹介しますね。
駐在妻が海外生活に慣れる第1段階: 移住期
着任してすぐの時期。
見るものすべてが珍しくて緊張と興奮状態でストレスの自覚がない時期。
私の場合は、1か月ほどこの状態だったように思います。
日本のスーパーでは見かけない、珍しい食材や調味料に興奮し、
初月はなんと、食費に10万もつぎ込んでいました。
週末は、毎週のように近くの観光地へ足を運び、
まるで旅行に来たような気持ちで、楽しんでいました。
駐在妻が海外生活に慣れる第2段階: 不満期
生活は落ち着いて混乱と緊張が一応おさまり、不適応が始まる次期。
現地の欠点や不自由さが目についてくる。
私の場合は、旦那が先に渡米していたので、
生活が落ち着くのが早く、その分早くからこの段階になったと思います。
なにかとアメリカでの生活と日本の生活を比べて、
文句ばかりを言っていました。
もともとは、ほとんどケンカをしない仲良し夫婦でしたが、
「日本に帰りたい」と、
何度も夫に八つ当たりをしてしまいました。
駐在妻が海外生活に慣れる第3段階観: 諦観期
あきらめの時期。
現地の良い面も悪い面も知り、あきらめきれないものを抱えながらもよい面を認めながらやりすごす時期。
渡米後、半年くらい経った頃はこの段階だったと思います。
私の居たアメリカでは、
時差のせいで日本の親や友人に連絡を取りにくいですし、
親しい友人の結婚式に参加することもできませんし、
買い物したときにギフトラッピングをしてくれませんし
私の大好きなプリンも売っていません。
しかし反対に、
新しいお友達は作りやすいですし、
家は広くて快適な温度に保たれていますし、
夫の長期休暇には、海外旅行を楽しめます。
それに、
帰国できる時期も見えています。
「今しかできないこの生活を
思いっきり楽しんでおこう。」と、
前向きな気持ちで過ごすことができていました。
この第3段階の諦観期と、第2段階の不満期は、
行き来する人が多いそうです。
たしかに、私の場合にも、
たまに猛烈に不満を感じることがありました。
いつもならなんとも感じないことなのに、
なぜか許すことができなくなるのです。
こうした不満期は、
”時期が過ぎれば終わる鬱=生理のようなもの”
と思って、やり過ごすようにしていました。
駐在妻が海外生活に慣れる第4段階: 適応期
無理なく現地生活を楽しめる時期。
現地での目標や生きがいができて毎日充実した生活が送れる。
この段階まで到達できない駐在妻も、少なくないそうです。
日本にいても、毎日充実した生活を送るのって難しいですしね。
私の場合、少しずつこの段階に近づいてきているように感じます。
このまま順調に、
充実した日々が送れるといいな、と思っています。
駐在妻が海外生活に慣れる第5段階: 望郷期
最後に訪れる段階。
ふとしたきっかけで強い望郷の念に駆られて日本へ帰りたくなる。
何年も海外に住んでいる方に訪れる。
さすがに、私はこの境地にはたどり着けないと思います。
日本に帰りたいと強く思うことはよくありますが、
何年も海外で暮らし慣れた駐在妻の「日本に帰りたい!」という気持ちとは
ひと味もふた味も違っていることでしょうね。
自分のペースでゆっくりと
この本の著者によると、
駐在妻は、とりあえず1年間乗り切れればひと安心だそうです。
駐在妻の中には、
海外生活に慣れることができなくて
日本へ帰国する方もいらっしゃいます。
たとえ海外生活になかなか慣れることができなくても、
少しずつでも慣れていけていれば、上出来です。
無理はしないで、
自分のペースで大丈夫です。
今ここでしかできない生活を
ゆっくりと、楽しめるようになっていってくださいね。
―――――――2018年追記10月追記――――――――――
夫の海外赴任が終わり、日本に帰国して1年以上が経ちました。
仕事をしているので忙しいですが、精神的には安定して、「やっぱり日本は楽だな~」と日々感じています。
そして、ご縁があって、「海外 こころのヘルプデスク24時」という活動に、相談員として私も参加させていただいています。
これは、海外在住者が、24時間、日本語でいつでも無料で話ができるオンライン相談デスクです。
発起人の秋田まきさんは、現在アメリカテキサス州に住んでいる「海外生活・国際恋愛カウンセリング」のカウンセラーです。
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