こんにちは。海外赴任家庭のためのお金の専門家、張替愛です。
約1年以上前に私が海外から日本に本帰国したとき、スイカやパスモなどをはじめとした「電子マネー」の普及が進んでいることに驚いた記憶があります。
しかし、海外赴任で長い間海外にいることとなった場合、電子マネーを所有していることがリスクにもなります。
そこで今日は、海外に赴任する際の電子マネーの注意点をお伝えします。
目次
日本の電子マネーの種類
昨今、現金やクレジットカードの代わりに、さまざまな種類の電子マネーが登場しています。
<電子マネーの種類>
・Edy
・WAON
・nanaco
・Suica
・PASMO
・iD
・Quick Pay など
ほかにも、ここには挙げきれないほどの種類があります。
なかでも、交通系icカードであるSuicaやPASMOは、使っている方が多いのではないでしょうか。
海外では日本の電子マネーは使えるの?
電子マネーを使うためには、お店側がその電子マネーの支払いに対応している必要があります。
そのため、日本で使っている電子マネーのほとんどは、海外では使えません。
海外赴任によって、電子マネーが使えなくなることを考慮して、海外赴任先では別の決済方法を使うことを検討しましょう。
どのようなお金の支払い方が主流となっているのかは、国によって異なります。
例えば、日本では8割が現金による買い物となっていますが、韓国では反対に、8割が現金以外による買い物となっています。(経済産業省 平成30年4月「キャッシュレス・ビジョン」より)
その国に住むなら、その国のやり方にならうのが一番です。
日本ほど現金が好きな国はあまりないので、海外ではクレジットカートやデビットカードの利用を検討することになるでしょう。
海外でも大丈夫?電子マネーを紛失した時の手続きは?
もし電子マネーを紛失してしまったときには、すぐに停止の手続きを行いたいものです。
EdyやSUICA、PSUMOといったな前払い式の電子マネーには、不正利用の被害を補償する仕組みはありません。
基本的には、入金されていた残高を使われてしまったら、取り戻すことはできません。
しかし、すぐに紛失手続きを行うことができれば、残っていた残高を再発行したカードに移すことができます。
使い込まれる前に紛失手続きを行うのが大切なのです。
クレジットカードと電子マネーが一体となっていることも多いですが、紛失した際は、クレジットカード会社だけでなく、電子マネーの会社にも停止と再発行の手続きを行う必要があります。
ただ、この「再発行手続き」が、海外赴任者にとっては”くせ者”となるのです。
なぜなら、PASMOやSUICAの停止手続きは、駅の窓口などに出向かなくてはできないのです。
確認のためPASMOに問い合わせてみましたが、海外から停止手続きをすることはできませんとのことでした。
海外からでも利用を停止できる電子マネーはありますが、海外からでは簡単には利用停止ができない電子マネーがあることを覚えておいてください。
オートチャージ機能に注意!
特に、自動で入金されるオートチャージ機能を使っている方は注意が必要です。
紛失して誰かに使い込まれた場合、オートチャージだと金額が高額になってしまう可能性があるからです。
例えば、こちらの記事では、携帯電話を落とし、楽天Edyを290万円不正利用されてしまったケースについて取り上げられています。
◆出典:NIKKEI STYLE
海外で電子マネーを紛失した場合は、オートチャージできる機会が設置されていないので、使い込まれてしまう可能性は低いです。
しかし、「もしも拾ったのが日本人だったら、帰国して使い込まれる可能性があるのでは?」「盗難されたPASMOが、犯罪組織に流れて悪用されるのでは?」など、心配のタネは残ります。
少なくとも、オートチャージ機能をつけたままの電子マネーをもって海外赴任をするのは避けた方が良いと言えるでしょう。
交通系電子マネーとクレジットカードが一体型となったものを使っている方は、特に注意が必要です。
クレジットカードと一体型のものは、オートチャージ機能だけを解約することはできないので、カード自体を一度解約する必要があります。
そのうえで、必要であれば、クレジットカードはクレジットカードで、交通系電子マネーは交通系電子マネーで、それぞれ持つようにしておくと良いでしょう。
海外赴任の前は「電子マネー」の整理を
海外でも使われることを想定したクレジットカードと違って、電子マネーは日本でしか使えないものが多いです。
そのため、海外でのトラブルへは対応が手薄であるとも言えます。
何気なく持っている電子マネーですが、電子マネーも立派な「お金」です。
紛失した際に、使い込まれてしまうリスクがあることは認識しておきましょう。
そして、海外赴任が決まったら、電子マネーの手続き先を確認しておきましょう。
海外からの手続きができないものは、持たないようにしておくと安心です。
また、電子マネーの持ちすぎは、日本で紛失した場合にもリスクになります。
使っていない電子マネーがあったら、この機会に解約して整理しておくと良いでしょう。